就業規則の基礎知識

就業規則とは・・・

会社は、年齢や価値観、考え方などが異なる色々な人が集まり成り立っている組織です。そのような従業員の方々をまとめ、会社の目標に向けて進んでいくのはとても大変なこと だと思います。
会社の目標を達成するには、個々の従業員が能力を有効に発揮し、働く意欲を高め、そして安心して働き続けることが出来る労働条件や職場環境を整備することが必要であり、そ のためには一定のルールを築き上げることが大事です。
その基本的ルールが「就業規則」であり、労働条件や職場秩序、そして経営者の考えを明 文化したものになります。

危ない就業規則とは・・・

「就業規則」を作成しているからといって安心とは言えません。その内容が、会社の実態に即したものであり、そして将来に向けて無用なトラブルに発展しないような条文を作り上げる必要があります。

以下の項目に当てはまるようなら、是非見直しを検討して下さい。

  • □今の就業規則は、書店で購入したひな形を使用している。
  • □今の就業規則は、インターネットでダウンロードしたものをそのまま使用している。
  • □今の就業規則は、労働基準監督署が配布しているモデル就業規則を元に作成した。
  • □今の就業規則は、親会社からもらったものをそのまま使用している。
  • □今の就業規則は、3年以上見直しをしていない。
  • □今の就業規則は、会社の実情とあっていないような気がしている。

就業規則作成・届出の義務

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、必ず就業規則を作成し、労働基準監督署に届出なければなりません。(労働基準法第89条)
就業規則を変更した場合も、同様に届け出る必要があります。
また、従業員が10人未満であっても、就業規則を作成することは望ましいと思われます。「常時10人以上の労働者を使用する」とは、常態として10人以上の労働者を使用しているという意味であり、稼働人数ではなく在籍者数で判断されます。
その対象としては、パートタイマー・嘱託社員なども含み、有期労働契約であるか否かは問われません。出向中の社員や、休職中の社員も在籍者数に含みます。
また、管理監督者も労働者であることには変わりがありませんので、常時使用される者に含めて考えることになります。

就業規則の周知

就業規則を周知することにより、その就業規則が労働者に対する客観的な規則となり、有効であるとされます。
つまり、就業規則が有効なものであるとするための前提条件としては、労働者への周知が必要不可欠であると考えられています。

●就業規則は次の方法によって周知することが必要です。

  • ①常時作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付ける。
  • ②書面で交付する。
  • ③磁気ディスク等に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する。

就業規則の内容を知らなければ従業員は就業規則を守りようがありません。
社長や経営幹部の方々が就業規則を理解した上で、従業員に対する就業規則説明会を実施し、従業員の理解を深めることが重要です。

労働者代表の意見聴取

就業規則の作成にあたっては、従業員の過半数で組織する労働組合(労働組合がない場合には、従業員の過半数を代表する者)の意見を聞かなければなりません。
意見を聞くとは、「同意を得る」という意味ではありませんので、その意見に拘束されることはないと言えます。
したがって、就業規則に賛成・反対にかかわらず、労働者代表の意見書が添付されていれば、所轄労働基準監督署長は就業規則を受理します。
また、意見が反対であっても法律に抵触していなければ、就業規則自体の効力には影響しません。

就業規則に記載する事項

就業規則に記載する事項は、次の3つの区分に分けることができます。

  • 【①絶対的必要記載事項】絶対に記載しなければならない事項
  • 【②相対的必要記載事項】定めをする場合、必ず記載しなければならない事項
  • 【③任意記載事項】使用者が任意に記載することができる事項

絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項のうち、一部が記載されていない就業規則を作成、届出していた場合、就業規則全体が無効となるわけではありませんが、就業規則の作成義務に違反該当します。

【①絶対的必要記載事項】

  • (1)労働時間に関すること
    • 始業、終業の時刻
    • 休憩時間、休日、休暇(年次有給休暇等)

    交替制の場合の就業時転換に関する事項

  • (2)賃金に関すること
    • 賃金(基本給や各手当)の決定方法、計算方法
    • 賃金の支払の方法、締切日、支払日
    • 昇給について
  • (3)退職に関すること
    • 退職、解雇、定年の事由
    • 退職、解雇、定年の際の手続き

【②相対的必要記載事項】

  • 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法、
    支払の時期に関すること
  • 退職手当を除く臨時の賃金等(賞与、臨時の手当等)及び最低賃金額に関すること・労働者の食費、作業用品費その他の負担に関すること
  • 安全及び衛生に関すること
  • 職業訓練に関すること
  • 災害補償及び業務外の負傷や病気の扶助に関すること
  • 表彰及び制裁の種類及び程度に関すること
  • その他、当該事業場の労働者すべてに適用される定めをする場合においては、これに関すること

【③任意的記載事項】

  • 目的、適用範囲、採用手続などの使用者が自由に記載できる事項。
  • 服務規律や就業規則の趣旨、基本精神の宣言、就業規則の解釈や適用に関する規定等。
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